リュシーメソッドで得たもの

僕の弟子が書いた文章です。読んでみてください。


リュシーメソッドで得たもの

 

音楽を表現するということは具体的にどういうことなのか。

僕はそれをリュシーメソッドを通してはっきりと掴み、かつ、「自分一人の力」で実践できるようになった。

 

普通レッスンでは自分が演奏し、先生から演奏のしかた・強弱のつけ方・ルバートのしかたなどを教わるが、では「なぜその強弱になるのか・なぜそのようなルバートが起こるのか」を1から教えてもらえるようなレッスンは日本においては皆無と言ってもいいだろう。

 

しかしリュシーメソッドでは、その「なぜそうなるか」を学ぶことができる。

 

音楽を表現するということは、楽譜に書いてあることをそのまま演奏することではない。

リュシーメソッドで学ぶ表現の本質とは、楽譜に書かれている音符の動きや特徴、構造を見極めることで、

 

1 .自然な強弱の変化に気づく

2 .自然なルバートを音の動きの中で見つける

3 .音楽を躍動的にさせるためのアクセントを見つける

 

といったことができるようにすることである。

 

これらを行う上での根拠となる「音楽的法則」がいくつも存在し、リュシーメソッドではそれらを学ぶことができる。

 

冒頭でも書いたように、大事なことは自分一人で音符の変化を読み取り、それを音楽的法則に則って演奏に生かすということだ。これができるようになると自分の意思・意図が非常に明確な演奏になり、なおかつ超一流の演奏家達がどんなことをしているのかが手に取るようにわかるようになる。

一旦こうなってしまえば、音楽をすることの楽しみや喜びが数倍にも膨れ上がりそれがより高度な演奏をする大きな原動力になる、と僕は確信している。

(国立音大教育科卒指揮者鈴木彰久)